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首里散歩 Vol.432 歩幅を合わせて

ふと見上げた空に、梅の花。

ふわりとした小さな花だけど、咲き誇る姿は何とも鮮やか。

碧羅の天に濃ゆいピンクがお似合いだ。

沖縄の各地では、日本一早い桜まつりが開催されたとのニュース。

小さな春が芽吹き、凍えた心を溶かすように、気持ちもだんだん温かくなる。

受験生の長男にも感じる、刻々と近づく新しい春の兆し―。

「お母さん、お母さん!これ見て!」
学校から帰って来て早々、駆けよる長男。

「ショクダイオオコンニャク、買ったんだよ!」

これはゲームの話。
沖縄で出会った花の苗を購入し、どうやら育て始めたそう。

「受験生なのに…」
無意識のうちに、このフレーズが頭を過ぎってしまう今日この頃だが、沖縄のことが話題にあがると、自然と心が和む。

数年に一度しか開花しない、世界一臭い花とされているショクダイオオコンニャクが展示されてると聞き、熱帯ドリームセンターを訪れた。

宙吊りに飾られている彩り豊かなバンダの花々に出会う。

根をさらすスタイルの空中栽培に圧倒される。

無数の根っこは、スポンジみたいに水を貯めることができるそう。

一つ一つの植物を、ゆっくり丁寧に観察する長男。

「この根っこのアップ、写真に撮っておいてくれる?」

長男に頼まれるがままに、シャッターを切る私。

今日の私は、まるで彼のアシスタントだな。

進路を逸れて、ちょっと寄り道。
ジブリの世界に迷い込んだかのような中庭を散策。

人が乗ることができるほどの大きな葉をつけるスイレンの仲間、パラグアイオニバス。

美術館でクロード・モネの作品「睡蓮」を鑑賞した時、作品の前に座り込んで、お絵かきボードに真似て絵を描いていた長男。

小さな少年は、絵を描くのが好きだったな。

抱きしめてみるけど、手と手が届かないほど立派な太い幹を持つバオバブの木。

この幹にたっぷりと水を蓄えているそう。

「植物と人間って、似てるよね。」

長男は、植物の一生と自分の将来を重ね合わせているようだった。

葉をそっと指で撫でて、葉脈の凹凸を確かめる様子に、考えていることが何となく分かる気がした。

「新しいことを始めたい!」と話す彼が、真っ白なキャンバスに何を描くのか、私には分からないけれど―

咲き誇る花々のように、彼らしいカラフルな人生を送れますように!

春はもう、すぐそこまで来ているよ。

歩幅を合わせて、そっとエールを贈ります。

ライター
YUKAHA