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首里散歩 Vol.377 焚き火と夏の星空

近年、アウトドアブームがありソロキャンプもすごい人気。

そんなブームが起きるずっと前、今から20年ほど前の話。私を含めて大のキャンプ好きの友人が2人いた。しかも、ただのキャンプではなく、昼は釣りをして、夜はキャンプをするという、『釣りキャンプ』に3人とも夢中だった。

写真:釣った魚は釣った魚は3枚におろして、身はバター焼きに、アラは味噌汁にしました。簡単で美味しいがいいですよね^^

釣りキャンプは決まって二泊三日。

初日はキャンプ地への移動とテント設営。そして、丸1日を釣りに充てる。最後の日は片付けと撤収のみ。そうなると最低でも二泊三日は必要になる。

誰もいない場所で釣りを満喫し、キャンプ飯でお酒を飲んで、そして焚き火をする。

昼間の釣りで熱った顔を、夜は焚き火の炎が照らす。

普段は仕事が忙しく会うことも叶わない三人が年に一度、夏の夜に語らう。キャンプのメインイベントだった。

薪として昼間に集めておいた枝をくべていくと徐々に炎が周りを照らす。

それぞれが椅子を持ってあたり過ぎず離れすぎずの位置を決めると、焚き火の始まりだ。

大きなさそり座が、仲間に入りたそうに尻尾を上げてこっちを見ているかと思えば、夏の大三角が静かに、でも力強く光輝き三人を結んでくれているように見える。

お互いの昼間の釣果から近況を、焚き火の爆ぜる音を聞きながら語り合うのだ。顔を見るわけでなく、ただ燃える炎を見ながら。

焚き火をすると、沈黙さえも炎が消し去り安心感を生んでくれるから不思議だ。

焚き火から熾火(おきび)に変わり、夜空もさっきと違う星が話に参加する頃になると、眠くなり始めた友人がテントの中に消える。毎回決まって最後まで熾火を楽しむのは私だった。

静かになり、波の音が近くに聞こえると、

「また、来年かぁ。長いなぁ…まぁそれまでがんばるか!」と思いながら、

熾火を片付けると周りは静かな暗闇の中で明日に備える。

今では、当時の仕事の大変さや悩みは変化し、キャンプからも遠ざかったが、友との絆は変わることはない。

沖縄の夏の青空は最高だ。

でも、夏の星降る夜空の下、焚き火をしながら過ごす夜もこれまた最高なのだ。

今年は星空観測にでも行ってみようかな。

ライター
大城くいじなう