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首里散歩 Vol.484 にんじんの細切りのやつ

にんじんの細切りに
私は感謝をしなければいけないことに気がついた。

いつも「元気」をもらっていたのだ。

「にんじんの固形」にも、カレーや肉じゃがの具材として、もちろんお世話になってはいる。

しかし、「にんじんの細切り」には
思い入れが断然に違うことに気がついた。

始めは沖縄での出会いだった。

沖縄へ引っ越すまで、
世界に「にんじんしりしり」
というネーミングの料理があることを知らなかった。

(しりしり=沖縄の方言で「千切り」や「すりおろす」こと
にんじんをしりしりして卵とツナ缶を調味料で炒めたものが「にんじんしりしり」)

初めて、聞いた時には、
しりしりーだなんて、可愛い響き! 
と感じていた。

そして第一印象には、(すんごいニンジン盛りー!)とびっくりしたのを覚えている。

しかし、お皿にたっぷり盛られ、湯気立ちとともに鼻へと贈られてくる 炒られたツナのダシとニンジンのなんとも香ばしい香りに食欲がそそらずにはいられなかった。

鮮やかなオレンジ色、いや、ニンジン色
に華を添えるように黄色の卵がまざり、炒られたツナとのコンビネーションは衝撃だった。

「おっ!美味しー!」

なにかのマンガにでてきそうなほどに、お口の中が美味しさとニンジン色で眩しくなった。

それから幾度となく、
「にんじんしりしり」にお世話になった。

時に、お家でご馳走になったり、
時には、お裾分けでいただいたり、
ご家庭で少しずつ味付けは変われど、
沖縄のどこで出会っても、

細切りにんじん
鮮やかなにんじん色

目からお口から元気をチャージさせていただいた。

「しりしり(もう にんじんと言うことは見た目でわかるからか、割愛されていた)食べてー」と、
あの時、すべてが、越してきた私を気づかってくださっての事だったと改めて感じている。

もうひとつ、お世話になった
「にんじんの細切り」がある。

沖縄から大阪へ引っ越した時のことだ。

惜しみつつも大阪へ戻り、
仕事を始めてすぐのことだ。

沖縄の「青い海 青い空」
キラキラてぃだーと草花の鮮やかさ

島の方々の優しさが痛いほどに心離れず
どんなに晴れた空でさえ、グレーがかっていた時のことだ。

にんじんの細切りが突然私の前に現れた。

今度はロペ(酢漬け)になってやってきた。
パンにたっぷりはさまれて、あの元気な色でやってきたのだ。

連れて来てくださったのは仕事場の方だった。

(美味しかったから、食べてみてほしくて)と、渡してくれたその優しさが、
ロペの甘酸っぱさとともに身体にジューっと染み入った。

青空の下、ゆったりおしゃべりをして、ニンジンの細切りを食べたあの日からまた、私の時間が動き出した。

今では、自ら「にんじんしりしり」を作れるようになり、(にんじんしりしりの素、ありがとう✩)


子どもたちに
ニンジン色の元気を私が贈っている。

ライター
パッチンくるり