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首里散歩 Vol.477 台風前の道ジュネー

たしかその日は、台風前日だった。

夕飯を食べた後、歯を磨いていたら、外から「カンカンカン」という音が聞こえてきた。

台風前である。

風が強くて小雨が降っていた。

まさかな?と思ったけれど、また「カンカンカン」と鳴る。さらに「いーやーさーさー」という声が聞こえてきた。

道ジュネーだ。

え?今日やってるの?台風くるけど。

息子と慌ててベランダに出る。それっぽいのが見えた。

うわぁ、やってる。行こう!!!
小雨が降り、風がびゅうびゅう吹く中、息子をかついで道を歩く。

外にはわたしたちのように「道ジュネー?どこ?」と、家から出てきた人が数人いた。

あっちですかね?
あっちから聞こえてくるさーね?

などと言葉を交わしながら、音のする方へ。

すると見つけた。やってた。

本当にやってた!

▲この日は手ぶらで出てしまったので、写真は数年前の道ジュネー。

どれだけ風が吹いても、青年会のみなさんはまっすぐに前を見て、太鼓を打ち、足を上げ、重厚感のある声を響かせていた。

「いぃーやーぁさぁーさぁ」

「あぁーいーやぁー」

うわぁ、かっこいい。

見惚れていると、息子も興奮して「かぜなのに、すごいね!」とぴょんぴょん飛び跳ねる。「ね、かっこいいね」と言いながら、しばらくぼーっと眺めていた。

わたしは道ジュネーが大好きだ。

道々でゲリラ的にはじまる、あの興奮。なぜか見るたびにちょっと泣きそうになる。

度重なる台風でうんざりしていたが、青年会のみなさんが熱気で吹き飛ばしてくれた。

すぐに雨が強くなったので、わたしたちは早々に退散することにしたが、青年会のみなさんは雨にひるむことなく太鼓を鳴らしていた。

背中に太鼓の音と熱気を感じながら、わたしたちは帰路についた。

ライター
三好優実