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首里散歩 Vol.90 あの頃と同じ気持ちを込めて 2021年5月3日

去年の母の日の時期は、わたしの仕事がとても忙しく、
直接会ってプレゼントを渡すことは出来ませんでしたが、 今年は、母の方が忙しそう。

普段は母から連絡が来ることが多いのですが、
数日前にわたしから送ったメッセージにも一度しか返信がなく、
心配になり、もう一度連絡すると、
「ゴールデンウィークは休みがないの~」と返事が。

朝から夜遅くまで、昔から常に忙しい母ですが、
歳を重ねてから、益々忙しくなっているように感じます。

母の日にはプレゼントを贈ったり、 一緒にご飯を食べに行ったりと思い出作りをしていますが、
わたしのなかで一番印象に残る母の日があります。

それは高校3年生のころ、手術をしなければならない病気にかかり、10日間ほど入院をしました。
一日のほとんどをベッドで過ごす生活でのストレスと、病気への不安で
母に八つ当たりをしてしまう日もありました。

初めての経験で周りの人の気持ちなど考える余裕がなかったわたし。

すると、お見舞いに来てくれた母の同僚が、
「お母さん、ずっと心配しているよ。」と伝えてくれました。
わかっていたことだけど、こうやって言われると
母の気持ちがスッとこころに沁みわたり、涙がこぼれそうになりました。

無事退院をして、久しぶりにお出かけに連れて行ってもらった日、
入院で心配をかけてしまったこと、わたしの機嫌に振り回されても
そばで見守ってくれていたことへ、ありがとうの気持ちを込めて、
母の大好きな、くまのプーさんのぬいぐるみを母の日のプレゼントにしました。

母はとても驚いて、
「入院していたからバイト代もそんなにないでしょう?いいの…?」と、
涙ぐみながら喜んでくれました。

今までとは違う、いつもよりたくさんの「ありがとう」が詰まった母の日。
「母の日」と聞くと、この思い出が真っ先によみがえります。

今年も忙しそうで、母の日はきっと過ぎてしまうけれど、
あのときと同じように想いを込めて、直接プレゼントを渡して喜ぶ顔が見れたらなと思います。

ライター
首里石鹸 玉城悠以奈