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首里散歩 Vol.80 色彩のマジック 2021年1月21日

沖縄は、ここ数日は寒さが和らぎ、
色彩が薄らいだ冬を感じる景色も、
ゆっくりと楽しめる気候になりました。

沖縄の冬の魅力を知ると、沖縄を何倍も楽しめると言われますが、
風は強いのに、温かく穏やかな色彩に溢れていて、
とても癒されました。

しばらく風と波の音につつまれていると、
馴染みの猫達が声をかけてきて、
しばしリラックスの時間を共に過ごしました。

以前より、少しふっくらした猫たち。
お腹は満たされているようで、
目を細めて、ゆっくりと近づいてきます。
ふと、辺りが急にオレンジ色に染まり、

海の方に目を向けると、夕陽が急に輝きだし、
みるみるうちに、眩しさが増していきました。

刻々と変化していく夕陽に魅了される時、
ふと、学生時代に観た『緑の光線』というフランス映画が思い出されました。
バカンスを楽しもうと期待しても、孤独感に包まれていた女性が、
紆余曲折の後、思いもよらない出会いに恵まれて、
最後に、幸運の印と言われた、太陽が沈む瞬間に放つ緑の光線を見るまでのお話です。

先ほどの穏やかな幸せを思い出しながら、
沈みゆく夕陽を、目が痛くなるほど見つめてしまいました。

しばらく外出を控えていて、
やっと、少しずつ出かけていこうと思ったタイミングでの、緊急事態宣言でしたが、
この日の温かい色彩が、いつまでも心に残って、背中を支えてくれています。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子