〜空と海がロマンティックなオレンジ色に染まる夕暮れ…雄大なマングローブ林を見渡しながら、SUPクルージングを楽しむ西表島ならではの絶景ツアーです〜
…この説明に惹かれ、西表島でのSUPツアーを申し込んだ。
川と海が混ざり合う西表島では、日没にかけて風や波が止む〝夕凪〟と呼ばれるその時間が多く、 SUPクルージングにピッタリのコンディションとなる。
インストラクターは[そるてぃーくるーいりおもて]の池田さん。
数年前にご夫妻で移住して起業されたという先生だ。
まずは砂浜でパドル操作を練習してから、水上へ移った。

「はい、右に持ち替えてー、いいですよー、はい左!次は後ろから回しますよー」
と、先生がタイミングよくガイドしてくれるのであっという間に慣れ、この絶妙なパドル操作はもしかして自分のSUPのセンスなんじゃないかと錯覚するほど、あっという間にスイスイと進んでいけるようになった。
海水が入り混じる西表島の川では時折り、海にしかいない魚も足元を泳ぐのが見える。
マングローブが生い茂る林を潜り抜けながら、天然のジャングルクルーズ探検に、子供のようにわくわくした。

「いいですね、上手く漕げてますね」
その矢先、狭い木と木の間を潜り抜けようとしたとたん急に腰が引けぶつかりそうになった。
危うく落ちかけ何とか持ち堪えた私に先生は、
「お!体幹すごいですね!!」
と、プラスの言葉を見つけ、ほめてくれる。
大人になって褒められるって、
どんなことだって喜びだ。
進み行くごとに、景色を眺める余裕も出始め、大自然に拡がる水の真ん中でボードの上に腰掛けてみると、
水面が鏡のようにマングローブを写し、ぐるっと囲まれた自然と自分とが一体になっているような、ふわぁっと不思議な感覚を味わった。

「この時期にこんなに晴れて綺麗な景色が見れることは、なかなかないんですよ、本当にラッキーな日に来ましたね!」
「そうなんだ、わたしはラッキーなんだ!!」と、満足度+達成感にも拍車がかかる。
そして、水平線に太陽が沈みかけるツアー終盤。
「最後はあの岸にある2つの白い船と船の間に向かって漕いでください!」
「はい!」

よし、最後まで落ちないでゴールしよう!
今日は充実した1日だったなぁ!!とすっかり満足していると先生は
「あぁ、今日も1日が終わってしまうんですね、この景色とお別れがさみしいですね」と、名残惜しそうに言った。


その時、住んでいれば毎日見れるはずのこの素晴らしい景色だけど、毎日少しずつ違う景色の表情を名残惜しいと思えるほど自然と共に生きていて、旅で訪れている自分との感性の違いを感じた。
………
その日の夜、目を閉じてもまだ、水面に映るキラキラした陽の光やマングローブの森が瞼に映るように余韻に浸り、心地よい疲れとともに深呼吸するようにゆっくりと眠りについた。
どんな睡眠サプリメントよりもぐっすりと眠れたその自然の恩恵がありがたいと思えて、旅をする度にいろんなことに感謝が生まれてくる。
健康で沖縄に訪れることができたこと、仕事をお休みできたこと、そして今回も快く1人旅をさせてくれた夫に大感謝しながら、次いつ「また沖縄へ行かせてもらってもいいですか…」の話しを切り出そうかという企みも、まだ旅の途中だというのに始まっていた。
ライター
まちこ