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首里散歩 Vol.413 あの青と、あの人たちと

青が好きだ。

小さい頃、なるべく深く潜って水中に差し込む陽の光を見上げるのが好きだった。

光の角度によって緑や紫が混ざる。
水の中に宇宙があるような神秘的な光景を、息継ぎをしては何度も見ていた。

沖縄に携わる仕事を始めて3年半。
この3年半の間に人生で初めて飛行機に乗り、人生で初めて沖縄へ行き、どこまでも続きそうな青い空も、煌めく海も、まだ私の知らない青を見ることが出来た。

私が沖縄から受け取った“青”は、景色だけではない。

日々の中で迷ったとき、立ち止まったとき、そっと背中を押してくれた人たちがいた。一緒に沖縄へ行ったことはなくても、“沖縄”というひとつの場所を通して出会えた仲間たちの存在が、気づけば私にとってかけがえのない色になっていた。

夏を彩る木々の鮮やかさ。
森の静けさ。
幻想的な夕陽。
揺らめく星のひかり。
元気の源になる食物の恵み。
友のように寄り添ってくれる人たちのぬくもり。

私の中には、いくつもの沖縄の気配が残っている。

あの青と同じくらい確かで、今の私に繋がる大切な景色。
どんな時も「大丈夫」と言ってくれる、人生のお守りのような言葉と時間。

この景色を、時間を思い出すたびに、私はまた少し前に進める。海のそばを歩くときのように気持ちが軽くなる。

迷ったら海の底から見上げた光を思い出す。焦らなくていい、ゆっくり浮かび上がればいい、と静かに教えてくれる。陽の光が水中に差し込むように、前を照らしてくれる。

これからも、私の中で息づいている沖縄の”青”を胸に歩いていきたい。


思い返すたびに静かに光る、私の宝物。

首里石鹸 星見 せいか