幼いころ、わたしはおばぁ(父方の祖母)に保育園の送り迎えをしてもらっていた。すーじぐゎ(小道)と呼ばれる細い道を、手をつないで歩いた日々。
「ここは誰々さんの家で、桑の実がたくさんなっているね~。」
「ここはぶどうが上等に育っているさ~。」
おばぁはそんなふうに、道すがら見えるものをひとつひとつ教えてくれた。
バッタ広場と呼んでいた草っぱや、光る石が見つかる小道。毎日同じ道を通っているのに、そこにはいつも小さな発見と物語があり、宝探しのような時間が流れた。

途中には、ブーゲンビリアの花が見事に咲くおうちも―。
「きれいに咲かせているねぇ。でもね、この赤い花のようなきれいなところは花じゃないんだよ」
おばぁが笑いながら教えてくれたことを、今もはっきり覚えている。
保育園の帰りには、いつも向かいのパン屋さんでメロンパンを買ってくれた。
一方で、一緒に過ごす時間が長い分、厳しくもあった。
当時はスーパーマーケットやコンビニが近くになかったので、乾物屋や刺身屋へよくお使いに行かされたものだ。(刺身を切る店主の手さばきの凄さをよく見ていたので、将来の夢が刺身屋さんだった時期もあったくらい。)
思春期になり、髪の毛のクセに悩んでいたわたしに
「お金かからなくていいねぇ。おばぁたちはお金払ってパーマあててるんだよ」
そう笑い飛ばしてくれた優しさに、どれだけ救われただろう。思えばいつも、おばぁはわたしの居場所をつくってくれていた。

数年前、地元に戻ってからは、息子を学校へ送る途中であのすーじぐゎを通ることがある。
小さな頃に見た風景とは違う部分も多いけれど、ブーゲンビリアを咲かせる家々の景色は変わらない。
強い日差しの中でも誇らしげに咲くその色が、昔よりもずっと鮮やかに見える。
10月のこの季節になると、外を歩くのが心地よい。
ブーゲンビリアに香りはないけれど、澄んだ空気と花々の鮮やかさが混ざり合って、まわりとの調和を楽しむような、やさしい香りが漂ってくる気がする。
その花言葉が「あなたは魅力で満ち溢れている」と知ったのは最近のこと。けれど、この言葉はまさにあの景色にぴったりだ。古い赤瓦の家や、コンクリートの壁の「くたびれ」や「無機質」を、「味わい」に変える力が、ブーゲンビリアにはある。
おばぁとゆっくり歩いたすーじぐゎの記憶とともに、あの花は今も、静かにその魅力を放っている。
首里石鹸 大城なつき
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