『久しぶりだね〜』
『初めまして〜』
今日は、関西に移り住んでから初めてできた友人との沖縄旅行。

そして、私の地元沖縄の友人たちを紹介する日でもある。
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約束の5分前。
待ち合わせの居酒屋へ到着。
ドキドキしながら彼女とお店の扉を開けると、誰の姿もなく一番乗りの様子。
「まだまだ来ないはずよ〜」と私が言うと、彼女はすぐにピンときたように、「これがうちなーたいむ?」と本当にそんな事あるんだぁ~という顔をして笑った。
そう、時間の流れも少しだけゆるやかな、沖縄らしい空気。
私自身もたまに「うちなーたいむ」を発動してしまう時があるが、いつも優しく許してくれる彼女にはホントに頭が下がる。
やがて、予定の5分後。
最初の友人が登場するころには、私たちはすっかり乾杯を済ませ、お料理もほどよく進んでいた。

そこからは、ひとり来るたび、またひとり来るたび、笑いながらの他己紹介。友人のすすめで始めたこのスタイルのおかげで、緊張もすぐにほどけていった。
誰かを紹介するたび、私の中でもその人との思い出が蘇ってくる。まるで、大切な人たちの欠片をひとつずつ、丁寧に差し出しているような気持ちだった。
この日集まったのは、全部で6人の沖縄の友人たち。
部活の仲間、塾の友達、クラスは違えど高校時代を共にした子。
共通点といえば、私が「ダイスキ」と思える人たちということだけ。それでも、その小さな共通点があれば、きっと十分だと思っていた。
幼稚園から中学校まで一緒なのに「あんまり話したことないね〜」だったり、高校は一緒だけどクラスが違った子は「どこ中学校ね〜?」だったり。
時間も背景もばらばらな友人たちが、今ここで同じテーブルを囲み、笑い合っている。そんな空間がたまらなく心地よかった。
会も終盤に差しかかった頃、私からのお土産タイムに。ただ渡すだけじゃつまらないから、ちょっとしたドラフト大会を開催!
ジャンケンの声が響いて、いつの間にか学生時代みたいなノリに戻っている自分たちに気づいて、また笑った。

気づけば、あっという間の数時間。
たくさんの友人が、時間を割いて会いにきてくれたことが本当に嬉しかった。
数日後、SNSに流れてきたのは、あの日出会った友人たちが一緒に遊びに行った様子。そのストーリーズを見た瞬間、胸の奥にじんわり灯るものがあった。
自分の好きな人たちが、互いを好きになってくれること。その輪が少しずつ、確かに広がっていくこと。それは、私にとって、言葉にならないほどのエネルギーだった。

『いちゃりばちょーでー。』
一度会えば、みんな兄弟。
そんな言葉が、心にやさしく響く夜だった。
首里石鹸 井口ひかり