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首里散歩 Vol.284 大地の力

暑い夏は慣れているつもりだった。
けれど、渓流コースと名付けられたトレッキングコースで、爽やかな緑とせせらぎを感じるはずが、吹く風もただただ熱く、久しぶりに夏を受け止めた午前中となった。

それでも、植物は様々な色を発して、力強く伸び進み、至る所に生を感じる生き物たちが現れて、暑さを忘れて、自然の世界に入り込んでいった。

はぁはぁと、息があがるのを我慢するけれど、上りの続く坂では、どうにもついて行けず、少し止まっては、限界のラインを超えて、また進んで行く。

その後の清々しさをなんと表したら良いか。
ただただ「来てよかった」と自分に語りかけ、連れてきてくれたお世話になっている方々に感謝して、家路を急いだ。

・・・

考えてみると、いつもの暮らしは、海に近い、風通しのいい地域で、夕方からの砂浜を楽しむことがルーチンとなっている。

日常に、高くてどこまでも広がる空や海が見えることで、自然の中にいるような気持ちになるけれど、自分の体調や生活に合うところで、その先に広がる環境をイメージするような、緩やかな愛で方なのかもしれない。

突然降ってきたトレッキング体験は、やんばるや南部などの大好きな場所とリアルにつながる力強さがあった。沖縄に広がる山々にこういった手付かずの自然がひしめくように詰まっていて、ぐんぐんと大地から命の力を発していることを、あらためて、肌で感じて理解できた気がする。

人が感じられる大好きな街と、命の力強さと儚さを感じられる自然と触れ合う体験、そんな贅沢を月に一度くらいはやっていきたいと、アラフィフになって、心の底から感じた体験だった。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子