今日も小さく開けた窓から、外の風の音が聞こえ続ける、風の強い沖縄です!
先日、10歳の息子が目をキラキラさせて、地層や化石への熱い想いを語ってきました。
沖縄本島は、地面の歴史を目にするには、とても恵まれた環境なので、さて、どこへ行こうか…と急にワクワクしてきました。
私は南国の景色の楽しめる中南部も大好きなのですが、不思議と、気持ちが燻る時には、照葉樹の生い茂る山並みが続く山原の景色に大きな力をもらえます。
久しぶりにたまらなく行きたくなり、「北部に行ってみない?」と、母も一緒に誘ってみました!
山と海を何度超えたでしょうか。
辿り着いたのは、名護にある、嘉陽層という、今から5000万年ほど前にアジア大陸の東端の海底で堆積した砂岩泥岩互層の地層が、海洋プレートの移動で大陸から切り離されてここまできたものです。
手で軽く触ってもホロホロと崩れるような柔らかさで、今、この瞬間まで形を成してきたことにさえ、驚きを感じるようなものでした。
引き潮の時間に海沿いの道を歩いて進めば、これらの地層が、大地の力で大きく褶曲(しゅうきょく)しているのを見られる名所があり、2012年に国指定の天然記念物に指定されていますが、この入口付近に広がる、真っ直ぐな地層の風景でもとても興味深かったので、親子3代で見入ってしまい、結局この付近で過ごしました。
海の近くにあった洞窟のような窪みを覗くと、宝箱のように石がたくさん敷き詰められていました。
その窪みを出たところには、両側に全く異なる素材の岩が横たわっています。
その一つ一つに触れて、硬さを確かめたり、光に翳したりして、
地球の動きを塊にして見ているような気持ちになりました。
その帰りに立ち寄ったのは、人影のない、草と土の先につながる海でした。
樹木のアーチを超えて、一足先に海に近づいた母と息子が、別の時代に行ってしまったような、そんな不思議な感覚も楽しみながら、北部を後にしました。
今度は、北部に比べて比較的新しい、 南部にあるサンゴ礁を起源とする「琉球石灰岩」に触れ、時代に想いを寄せてみたいと思います。
ライター
首里石鹸 白鳥恵子