小さいころから、絵を描くことが好きだったわたしは、大好きな画家さんがいました。
その画家さんの描く絵にはストーリーがあり、いつも後ろ姿しか見えない主人公も居ます。
何がきっかけで、その画家さんの作品と出会ったのかはあまり覚えていないのですが、
初めて見た瞬間から、母とわたしは、その絵にすっかり魅了されました。
そして、当時わたしが中学生のころ。その画家さんの作品展示会が沖縄で開催されることに。
母もお知らせを見て、「展示会に行こう!」と誘ってくれました。
大好きな画家さんの作品がたくさん並び、ひとつひとつのタイトル、絵からストーリーが思い浮かぶ。
この絵の中に居る、いつも後ろ姿の主人公を、わたし自身の大切な人に重ねて、 並んだ絵を眺めていました。
そう思わせてくれるのが、この画家さんの絵を好きになった理由です。
きっと母も同じことを考えていると、わたしは中学生ながら思っていました。
展示されたいくつもの作品で、わたしが一番気に入ったものを、 「お家に飾ろう!」と、母がプレゼントしてくれました。
母と大好きな絵に囲まれ、お互いに何かを思いながらのあの空間は、 とても大事な時間となりました。
大切な家族との時間、家族との思い出を増やすことは、 その時にしか出来ない、絶対「あの時行ってよかった!」と思える一日となります。
母があの日プレゼントしてくれた絵は、家族の時間は何よりも大事だと思わせてくれる、 大切な宝物です。
ライター
首里石鹸 玉城悠以奈