沖縄は、ここ数日は寒さが和らぎ、
色彩が薄らいだ冬を感じる景色も、
ゆっくりと楽しめる気候になりました。
沖縄の冬の魅力を知ると、沖縄を何倍も楽しめると言われますが、
風は強いのに、温かく穏やかな色彩に溢れていて、
とても癒されました。
しばらく風と波の音につつまれていると、
馴染みの猫達が声をかけてきて、
しばしリラックスの時間を共に過ごしました。
以前より、少しふっくらした猫たち。
お腹は満たされているようで、
目を細めて、ゆっくりと近づいてきます。
ふと、辺りが急にオレンジ色に染まり、
海の方に目を向けると、夕陽が急に輝きだし、
みるみるうちに、眩しさが増していきました。
刻々と変化していく夕陽に魅了される時、
ふと、学生時代に観た『緑の光線』というフランス映画が思い出されました。
バカンスを楽しもうと期待しても、孤独感に包まれていた女性が、
紆余曲折の後、思いもよらない出会いに恵まれて、
最後に、幸運の印と言われた、太陽が沈む瞬間に放つ緑の光線を見るまでのお話です。
先ほどの穏やかな幸せを思い出しながら、
沈みゆく夕陽を、目が痛くなるほど見つめてしまいました。
しばらく外出を控えていて、
やっと、少しずつ出かけていこうと思ったタイミングでの、緊急事態宣言でしたが、
この日の温かい色彩が、いつまでも心に残って、背中を支えてくれています。
ライター
首里石鹸 白鳥恵子