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首里散歩 Vol.405 伝統を紡ぐ季節

空が一段と澄んでいる秋冬。
ひんやりする静寂の明け方、朝焼けの優しい光に包まれながら過ごす。

今朝は珍しく、雲海が水平線に広がり、朝日が優しく光を放つ。
どんな朝が迎えられるのか、毎朝楽しみでならない季節だ。

各地で運動会や祭りが行われ、多くの人が文化に親しむ機会も、この季節の楽しみの一つだろう。

今年も沖縄文化の祭典が開催される「鶴見うちなー祭」へ、子供たちと足を運んだ。

以前、道の駅ぎのざで味わった「食堂まんじろう」の宜野座そばと再会。

宜野座村ご当地麺「じゃがめん」に、インパクト大の三枚肉。

椎茸の風味豊かなそばだしの香りがたまらない。

「ここのおそば、沖縄で食べたの覚えてる?」と子供たちに聞いてみる。

「覚えてるよー!お姉ちゃんが扇風機貸してくれたよねー!」

そうそう、遊具で遊んで汗だくになった子供たちに、優しくしてくれたスタッフさんがいたね。

芝生広場で思い出を懐かしんでいると、威勢のいい声で軽妙なトークが始まり、エイサー紙芝居が始まった。

・ ・ ・

沖縄県出身の紙芝居師ヤムちゃん。
エイサーの担い手不足を解消しようと、紙芝居を通してエイサーを知ってもらう活動をされているそう。

エイサーで使用している太鼓の名前や、「イーヤーサーサー」の掛け声について、子供たちに面白楽しく伝えてくれる。

何気なく見ていたエイサーの旗頭(はたがしら)は、ご先祖様の霊が迷わず帰ってこられるように導く道しるべの役割を担っていると知り、感銘を受けた。

新たな知識を得て、あらためて観るエイサーの演舞は、何かが違って見えた。

伝統を守ることの重み。
伝統を紡ぐことは容易ではないこと。

この観客の中から、いつか演舞者になる子がいるかもしれないー。

そんなことを考えながら、伝統や文化を伝えることの重要性を痛感した。

「イーヤーサーサー♫」
「ハーイーヤー♫」

帰宅後のバスルーム。
子供たちのバケツを叩く音と掛け声が、家中に鳴り響いた。

「『ハーイーヤー♫』のリズムはちょっと難しいんだよ。」とに教えてもらったけど、子供たちは上手にリズムを刻んだ。

深まる秋。
私も子供たちも、より一層沖縄の文化とつながりを深めたようだ。

ライター
YUKAHA