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首里散歩 Vol.404 おばあちゃんのシーサー

先日、実家に立ち寄り玄関の下駄箱の上にふと目をやったときのこと。
見たことのない石のシーサーが一対、無造作に置いてあり、

「えっ?!このシーサーってどうしたの?いつから置いてあった?」と母に聞いた。

関東圏に住むわたしにとって、玄関にシーサーがいる光景は珍しいのですぐ気がついたつもりだった。

「たしかずっと前から置いてあったわよ?昔、おばあちゃんが沖縄に行って買ってきたって言ってたかなぁ」と母が言った。

…うーん、今まで絶対、ここには置いてなかったと思うんだけど…それともわたしが沖縄によく行くようになって目につくようになっただけなんだろうか…?

よく見ると、なんだか色も重量感も渋い!

『いーなぁ、このシーサー。』

あーだのこーだの言うわたしに母は、「気になるなら持ってっていいよー」と言ってくれた

そして、他界した祖母も旅が好きで、沖縄には何度も1人で訪れていたとこの時に知った。

だとしたらこのシーサーはおそらく6〜70年くらい前のものになる。

お土産なら持って帰るのをあきらめたくなるほどの重量感の石、測ってみたらひとつ1㎏もあった。

祖母は生前、書道の先生をしていて〝彫刻ハンコ〟を作る趣味もあり、シーサーの底の部分には丁寧に刻まれた文字が入ったハンコになっていた。

何て書いてあるのかもわからないけれど、石に染み込んだ朱色の墨と手彫りの文字から、あの頃見ていたわたしの〝おばあちゃん〟とはまた違った表情の祖母が見えた気がした。

毎月実家に帰っていたのに気が付かなかった突然のシーサー登場の謎は・・・

沖縄が好きだったおばあちゃんが首里散歩を読んでるよ〜ってお知らせをしに現れてくれたんじゃないか?!ということにしておこう。

だとしたらご先祖様みんなで読んでるのかもしれないので、この場を借りてお礼を言わせていただいてもよいでしょうか

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おばあちゃんへ

おばあちゃんのシーサーハンコは、わが家にの玄関の守り神としてお引越ししました

今度のお墓参りは、おばあちゃんが好きだった沖縄のお土産でも持っていきますね!

ご先祖様、いつも見守っていてくれて、ありがとうございます。

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そして、
こちらは、わたしが旅で出会った個性豊かなシーサーたちです。

ライター
まちこ