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首里散歩 Vol.378 真っ白なビーチと、白い珊瑚礁の意味

8月の沖縄といえば、ヤシの木が傾くほどの勢いのある暴風雨と台風の行方が報じられる。

『毎年のように台風が来て、大変なんだな‥』
『(台風の)被害が少しでも減るといいな…』と、思ってはいたけれど、

その台風でさえなくてはならない大切な自然の節理なんだと知ることになる。

今回の旅はホテルで開催されるモーニングヨガに参加することから始まった。

朝7:00の太陽と風を感じながら、ルーフトップでレッスンしてくれたのは、沖縄で人気のトレーナー“shoji先生”。

1日目の参加者は私とヒヨドリ一羽で、このヒヨドリはshoji先生のレッスンが始まる時間になると、決まってやってくる常連さんらしい。

約1時間のレッスンの中、日頃からヨガやバレエでもつい余分なところで余計な力を入れてしまうクセがあるわたしに、先生は丁度良いタイミングで、ゆんたくタイム(沖縄でいうおしゃべり休憩)を入れてくれた。

ゆんたくタイムでは、昨日わたしが訪れた離島のビーチのお話をした。

眩しいくらいに真っ白で綺麗な砂浜を思い出しながら、「なんであんなに真っ白なんでしょうか?」と尋ねると、「ビーチの白い砂の成分は、珊瑚の死骸や貝殻が細かくなったものなんです。」と教えてくれた。

生きている珊瑚の色というのは、本来は珊瑚を覆うように棲むたくさんのプランクトンから発せられる色で、ピンクや青などカラフルで様々な色合いをしている。

ここ最近の沖縄は、台風が減ったことで海をかき回す自然の循環も減り、水温が上がることでプランクトンが珊瑚から抜け出してしまい、そしてプランクトンに守られていた珊瑚は剥き出しで真っ白な状態になり死んでしまうのだそうだ。

昨日見た綺麗なビーチの白い砂が珊瑚の死骸の一部だったなんて!

「わぁ!真っ白で綺麗だなーー!」

そんなことしか思っていなかったから、ちょっとばかり衝撃だった。

そして、人間にとっては無いほうがいいと思っていた台風も、海や自然には大いに必要なんだとわかった。

そういえば日焼け止めに使われる成分も珊瑚にダメージを与えるとよく耳にするようになったけれど、

「わたしは海には入らないからあまり関係ないのかも。」なんて思っていたりした。

でも、どちらか選ぶとしたらなんとなくこっちにしておこうと、“リーフセーフ”な珊瑚に優しい日焼け止めを選んでいた自分の選択に正解をもらえたような気持ちになれた。

珊瑚礁の役割は他にもたくさんあって、二酸化炭素を吸収して木の何倍もの量の酸素を放出してくれたり、魚の餌場や住処だったり。

それを失うと魚も死んでしまうことに繋がることになる。

調べれば調べるほど、わたし達人間はたくさんの恩恵を受けて、つながっていることを知ることができた。

・・・

そんなゆんたくをしながら “うちなー(沖縄)愛” 溢れる先生のレッスンが終わる頃、ガチガチに凝り固まったカラダはすっかりほぐれていた。

きっと、こういう情報が耳に入ってくるということは、知る必要があったということ。そして、自分自身にも繋がってくることなのだろう。

いろいろなことが色々なところで繋がっているから。全部が全部じゃなくてもいいから。

“どちらかを選べるなら「何か」や「誰か」に優しいほうを。”

様々な側面から見たからこそ気づけた、実りある旅に感謝して、また、白い珊瑚礁と、沖縄の大自然に会いにこよう。

ライター
まちこ