沖縄の方言で「家庭菜園」のことを、「アタイグァー」という。
小さいころ祖母が、裏庭で野菜を作っていたことを思い出す。
畑仕事の経験が全くない私が、庭の一角に小さなアタイグァーを作り野菜作りに挑戦してみようと思いたったのは、我が家のワンコたちと一緒に美味しく楽しく食べることができるものをつくってみたい!ということからだった。

挑戦したいものは「スイカ」。
もちろん他にもいくつかの野菜を育てたいが、メインはスイカだ。 スイカは夏場に庭で遊んだ後の水分補給に大活躍。我が家のワンコたちの大好物でもある。
早速、アタイグァー作りを始める。
畑仕事が初めての私にとって硬い土を耕し、堆肥を入れ土が柔らかくなるまで耕すことは大変な作業だった。
苗を植えた後には、雑草や虫たちとの戦いは想像以上。それでも我が家のスイカはぐんぐんと成長してくれた。日に日にまん丸と大きくなっていくスイカを見ていると、こっちまでコロコロと笑顔になる。
ちなみに、スイカ以外の野菜は散々な結果に終わったが、スイカだけは順調に育ってくれた。

そしていよいよ収穫の日。
収穫の前にまずビニールプールに水をはり、ワンコたちとボールにフリスビーにと思いっきり遊ぶ。
そしてその時はやってきた。
収穫したスイカをビニールプールの中に入れると、スイカをボールと勘違いして大喜びで走ってくるワンコや、警戒して水の中のスイカに警戒するワンコ。


それでも切って食べる段階になると「クンクン」と鼻を鳴らしみんなで味わった。

甘さ控えめだが水分補給には充分役立ってくれた。もちろん買ったスイカが美味しいが、初めての我が家のアタイグァーから収穫したものには変えられない。
食べ終わったスイカは、「スイカ帽」に変身。

我が家の「アタイグァー収穫記念撮影会」にウンザリしたワンコの表情とはうらはらに、始まったばかりの夏の空はどこまでも澄みきっていた。

ライター
大城くいじなう