今年の梅雨は、あっという間に終わってしまった。
例年より10日以上遅い梅雨入りをしたのは、偶然にも私の誕生日で、朝は激しい土砂降りだったのが、夕方には雲の隙間から陽が差していた。
やっと梅雨に入って早々に顔を出した太陽に、プレゼントかな?と嬉しくなった。
それからも梅雨の晴れ間もあったり、曇り空で散歩のできる日も多かった。
快晴ではない日の太陽は、力を雲の中に溜め込んで、優しい色のグラデーションを織りなしている。

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母が何年も通っている地域の体操教室は、市内で一番長く活発に続いているそうで、腰が痛いと言いながらも、時間になると、なんだか嬉しそうに準備を始める。
体操教室のお仲間は、手作りの作品を全員にプレゼントしてくれたりするそうで、昔から様々な手芸に挑戦していた母が、目を輝かせている。
その見事なおりがみや編み物を作ってくれるのは90歳を超える先輩方で、まだ80代の母は若い子扱いをされて、交流を温めているという。
最近、以前にも増して、お肌のつやも良く、若々しく感じるのは、その関係性と楽しみからくる影響なのかもしれない。
「どうしてるかなぁと思ってかけたんだけど、なかなかお互い都合が合わないねぇ。会いたいなぁと思ったんだけどね。また電話しますね。」
母の携帯に入っていた大先輩からの留守電からは、母に会うのを楽しみにしている気持ちが脈々と伝わってきた。
その方の作ってくれたおりがみを眺めながら、母がこの地で紡いでいる先輩方との温かい時間を思い浮かべていた。

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これまでマイペースに楽しんでいたビーチサッカーに、急に本気で取り組み始めた息子。
そのきっかけとなったのは、学校のクラスメイトの2人をスクールの体験に連れて行ったことだった。
グループも違う2人が、息子とビーチサッカーで繋がり、それからの数日、砂浜に集まっては練習をしているという。
部活経験もない息子は、密かに一人でも自主練をしている。

こんな息子を見るのは初めてで、人との繋がりで新しい領域に成長が拡がっていくのを感じて、感慨深くなる。

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光のグラデーションや音波の範囲など、滑らかに変化する現象のことをスペクトラムと言うけれど、いつも見ている空からも、母や息子やその周りの皆さんからも、波動のように連続して変化が伝わり合っているような気がしている。
私も、そんな身の回りのことに心を震わす時に、そのスペクトラムのどこかに入りこんでいる感覚がしている。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子