シトシト…地に静かにしみこんでいくように、静かに雨が降り続きます。
沖縄に『スーマンボースー(小満芒種)』の季節がやってきました。約1か月にわたる梅雨です。

沖縄ではこの季節、祈りの月でもあります。80年前に地上戦があった地。
きっと、あの日もシトシトと降り続けていたのでしょう。そう思うと、雨音一つ一つが平和の祈りのように感じ、静かに土にそして私の心に沁みこんでいくようです。
庭に目を移すと、たくさんの虫たちが雨宿りをしていました。


バッタにカマキリ…「へぇ~虫たちも雨宿りするのか…
じっと葉の陰に隠れて雨が止むのを待っています。中には隠れているつもりなのか、ずぶ濡れのままじっとしている虫もいます。

雨の日は何だか憂鬱になりますが、こうして虫たちの雨宿りに気づき眺めていると、ほっと気持ちに暖かい日差しのようなぬくもりが広がります。
部屋の中に目を移すと、庭で遊ぶことのできない愛犬たちはあきらめムードで昼寝をしています。
「そうか、雨の日でも何かをしようと抗うのは人間だけかもしれないな。」
「手紙でも書こうかな?」
何もかもが静かで、シトシトという雨音しか聞こえない日は、
「本土にいて何年も会っていない友人に手紙を書くにはもってこいの日かもしれない。」
アナログな方法だからこそ伝わる思いに浸りたくなります。
・・・
「ワン!」
愛犬が雨が止んだことを教えてくれます。早速庭に出たいのか、私を誘ってきます。
「虫たちはどうしたかな?」
見に行ってみると、移動した後でだ~れもいません。
尻尾を振って私を見ている息子たちの目は期待でいっぱいです。
「今出るとどろんこになっちゃうんだよな~。」と言いながらも期待を裏切ることができず、雨が止んだばかりの庭に一緒に飛び出します。

この時期の雨は、しあわせで平和な毎日に感謝することを教えてくれます。
ライター
大城くいじなう