5月は、初めて沖縄を訪れた月。
3泊4日、ゴールデンウィークを利用しての滞在だった。
目的は“旅行”ではなく、“決断”のため。
翌年、本当に沖縄へ移住できるのか。
そして、ビーチサッカーという新しい挑戦が、自分の人生にとってどんな意味を持つのかを確かめたくて沖縄に向かった。

宿をとったのは国際通り。
だけど当時はコロナ禍の真っ只中で、通りには人影もまばら。
飲食店やお土産屋さんの看板はカラフルで賑やかなのに、空気はどこか張りつめていて、活気のなさが不気味に感じられた。
社会人になってまだ2年も経っていない頃。
新卒で入った会社を辞め、世の中もコロナで先が見えず、不安要素なんて数えきれないほどあった。
けれど、なぜか当時は「なんとかなる」と思っていたし、「なんとかする」と信じていた。
観光客がめっきり減った沖縄は目に見えるほど元気がなかったけれど、初めてビーチサッカーと出会って「早く沖縄で生活したい」「ここで生きていきたい」と強く感じた。
心が動いていた。

振り返れば、後先なんて考えていなかったけど、希望と勢いに満ちた自分と、背中を押してくれた人たち、そして受け入れてくれた沖縄の人たちがいた。
ふと、今の自分を思う。
あのときの情熱や潔さは、今もちゃんとあるだろうか?
あれから数年経ち、今年のゴールデンウイークの国際通りはすっかり人であふれ、活気を取り戻している。

その景色の中で、なぜか私は少しだけ焦っている。

ライター
佐藤りょうすけ