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<おしらせ>
今月より新しいライターさんをお迎えして「首里散歩」をお届けいたします。
沖縄の風景を散歩するようにコラムを読みすすめる中で、心ほぐれるひと時をお過ごしいただけますように。
首里石鹸 編集部より
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天高く馬肥ゆる秋
秋の空を眺めていると「ピックイー、ピックイー」と飛ぶ鳥を発見。
秋の高い空に鳴き声を響かせながら飛んでいる。かと思えば、低空飛行で我が家の庭に影を落とす。
鳩じゃないぞ。もちろんスズメでもない。大きさが違いすぎる。なんという鳥だろう。人間の疑問をよそに優雅に
「ピックイー、ピックイー」
と飛んでいる。
どうやって調べればいい?耳に残った鳴き声以外にヒントがない。ネットの力を借りることにした。
パソコンを開き検索欄に「ピックイー、ピックイー、と飛ぶ鳥」と入れてみた。
まさかこれだけの情報でわかるわけないよなあと思いながら。
しかし、文明の利器は私の常識をはるかに超えていた。
なんとわかったのだ。
「ピックイー、ピックイー、と飛ぶ鳥」だけで鳥の名前がわかるなんて驚きだ。
でも、最高にスッキリ。かくして「ピックイー、ピックイー」と飛んでいた鳥は『サシバ』だとわかったのである。
サシバといえば、今まで宮古島での観測会をニュースで見たことはあった。「そうか!この鳥だったのか。」と、今更ながら一人庭で感動したのだった。
サシバは小さなタカの仲間なのだそう。またサシバは寒露の頃に飛来することから「寒露のタカ渡り」とも言われていて、観測会では季節の移り変わりをサシバの飛来で楽しむことができるのだ。
でも、我が家の上空を飛ぶサシバは一羽か二羽、たまに三羽。
どうしたのかな?はぐれてしまったのかなあ。
心配はするけれどこんな間近に飛んでいると、愛着がわいてくる。
「はぐれてもいいから来年も来てくれよー。」
「仲間は少ないけど、協力して帰るんだぞー。」
「美味しいものをたくさん食べて体力つけろよー。」
などとサシバからすると、大きなお世話のような心配をしてしまう。
渡り鳥にはロマンがある。
今年も私の頭上にロマンを運んでくれるサシバに感謝と励ましのエールを贈る。
ライター 大城くいじなう