マイペースだね、と言われることが多い。
自分でもわかっているので、素早さが求められるような場面では、気合を入れて、周りで関わる方の流れになるべく追いつくように、少し先をイメージしながら、全力を尽くす。
もちろん失敗することもある。
けれど、苦手に正面から向き合うと、必ずしも速さを合わせなくても、気づいた人にしかできない役割を見つけられたりもする。すると急に、自分でも忘れていた力が出てきて、自分の良さを生かせたりするものだ。
先月から、息子が卒業した小学校で、放課後こども教室なるものをお手伝いすることになった。児童館のない校区なので、子ども達が自由に、楽しく集まれる場作りの第一歩、ということだ。
第一回は、マーブリングというものをやった。
水よりも比重の軽い絵の具を水面にたらして、水面に広がる絵の具の模様を紙などに写しとるもので、お試しで数回やっただけでも、その偶然の瞬間を捉える色彩とまるで鉱石の模様のような形に魅了された。
準備もとても簡単で、人によっても、そのタイミングによっても、細かさや大胆さが大きく変わり、そのどれもが素晴らしい、正解不正解のない世界。
日常にこういった体験をたくさんしていたら、苦手なことであっても、自然体のまま、自分の得意なことを見つけて進めていけそうな気がして、なんだか違うスイッチが入った。
当日は想像よりもたくさんの参加者が来てくれて、親子三代でお手伝いに奮闘したわが家もとても良い思い出となった。小学生の子ども達と接しながら、ただただ楽しみ、一緒に過ごす時間の豊かなこと。
お手伝いで活躍した中2の息子の作品も、どこか沖縄の景色を思わせるようなマーブルで、それがまた、なんとも嬉しく感じた。
よく思い返すと、お稽古も何かを目標にして参加していたりして、純粋に楽しむ時間は、日常であまりなかったのかもしれない。
明日は、第2回で、今度は得意のユニットおりがみをやる。
地域の時間は、子どもに関わる大人やうちの家族にも、自分らしい元気をたくさんくれる気がしている。
ライター
首里石鹸 白鳥恵子