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首里散歩 Vol.264 実家を感じる目印。

実家に帰る途中、「もうすぐ着く」と感じる目印がある。
僕の実家の場合は、近所のコンビニを過ぎて、左の細道に曲がる場所。
そして、この雰囲気を沖縄でも味わえる場所が、僕にはある。

大きな道を曲がり、集落に入る。
少し進んで見える「最徐行」の看板。集落に入るという目印だ。

この看板とともに見る沖縄の原風景。
実家に近づいたようで、気分がワクワクしてくる。

ドライブや出張のついでなど、寄りたくなる場所。
僕は、この先にある古民家で沖縄そばをいただく。

小上がりの窓際からお庭を眺める席が特等席。
冷えた麦茶を飲みながら待つ時間、ぼーっとしていると、「実家に帰ってきた気分ってこんな感じなんだろうな」と、ふと思う。

東京出身の僕は、実家がそこまで田舎ではないため、地方から出てきた方の「帰省」を羨ましく感じている。
なので、その気分が味わえるような集落や、古民家のお店が好きだ。

お待ちかねの沖縄そばとじゅーしー。
しかしながら、古民家と沖縄そばの組み合わせは本当に最強だと思う。
鰹の匂いを感じながら、空腹の僕は一気に食べ進める。

化学調味料なんて入っていない。
麺も自家製の手打ち麺。

これは本当の「贅沢な時間」なんだろうな。

帰り際、忙しいながらもお母さんは笑顔で対応してくれる。
「ありがとう」をいただいた時に思う。
こんな体験をさせていただく私のほうこそ「ありがとう」を感じていると。

なので、心を込めて伝える。
「ごちそうさまでした。美味しかったです。」

僕は沖縄にいる限り、このような体験ができる場所を探し続ける。
この出会いは、ずっとやめられないだろう。

首里石鹸ライター
須藤 大治郎