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首里散歩 Vol.261 豊かな時間

慌ただしい春の日々に、天気が大荒れだった数日間。
水不足が一気に潤うほどの雨の恵みが来て、湿気のこもった空気の中に佇んでいる。「これぞ沖縄」という気もするし、なんだか懐かしい感じもする。

懐かしいといえば、先日、用事のついでに寄った那覇のカフェが、幼い頃の時代を思い出すような雰囲気で、珈琲もケーキも美味しくて、置いてある本も興味深いものばかりで、とても濃厚な時間を過ごすことができた。

最近、新しいものや出来事に囲まれることが多かった気がする。
ゆったりとしたカフェで味わえたノスタルジックな沖縄の一面をゆっくり味わいながら、時間ができたら、また訪れたい場所を色々と思い浮かべてみる。すると、以前訪れたことのある浜比嘉島の塩工房の”流下式塩田”や炊き上げを行う平釜が頭に浮かび、無償にまた行きたくなった。

ずっとこの場所で続けてきたわけではなく、浜比嘉島の自然を活かして100%天然の塩が作れないかと、わざわざ昔ながらの製塩方法の中で、効率の良い”流下式塩田”を選んでやり始めたと言っていた。雨が多い沖縄で、雨が降ると、作業が止まってしまうと。それでも、天然の塩を作ることに志を持ってやっていると。
その熱い想いを伺い、塩作り体験をしてから見た風景は、また格別に感じたのだった。

作ってきた塩はまろやかな甘みがあって、火の入れ具合によっても、味わいが変わる繊細さがあった。また、今のコンディションを見るように、自然に感謝して、自然からいっぱいに豊かさを受け止めながら、塩作りをしてみたい。

私の休日が待ち遠しい!

ライター
首里石鹸 白鳥恵子