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首里散歩 Vol.257 まばゆい春

今年の我が家には卒業生がいないので、気を抜いて春の忙しさに身を任せて過ごしていた。
ところが、蓋を開けてみると、学校でお世話になった心の拠り所の先生方が、一気に異動や退職される情報が次々と届き、何も手につかなくなってしまった。

心を落ち着けるために、爽やかな空気に降り注ぐ光の中で、ハーブティーを飲んでいる。

アレルギーがひどかった時に、ペパーミントとカモミールのティーバッグを1つずつ入れて、その蒸気で目や鼻を温めながらハーブティーを飲むと身体の調子がよくて、生活に欠かせないお気に入りになった。

最近は、外出時にも水筒に入れて持っていくことが多い。
熱いので、フウフウしながら一口飲むと、車内の家族が「あれ?なんか、いいにおいがする」と不思議な表情で喜ぶのが面白い。

そんなことを思い出しながら、立ち上がる香りに包まれて、少し気持ちが落ち着いてきた。

いつも感謝を伝えることは心がけているけれど、こんなにほとんどの方がお別れとわかると、今までの記憶が次々と思い出されて、深い感謝の気持ちと今後の心許なさが、シーソーのように揺れる。

ここしばらく、学年が変わる緊張で、寝つけない様子だった息子は、どういうわけか先生方とのお別れはすんなりと受け入れて、いつになくしっかりした文調で、お礼の手紙をしたため、やり切った感じで寝入り、早々と登校して行った。

「先生のおかげで強くなれた」と手紙に書いてあったけれど、なんだか頼もしくて背筋を正される。

この間、海に消えるまで見てた夕陽。
あんな風に、お互いの気持ちを心にしまいながら、先生方を見送れるかな。

そして、いつか、同じようにお互いを見送る日が来るんだろうね。

ライター
首里石鹸 白鳥恵子