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首里散歩 Vol.253 自然の凄み

なんだか色んなことがすこしずつうまくいかず、悶々としていたある日。
知人の誘いで宮城島にある果報(かふう)バンタに行った。

いわゆる絶景スポットである果報バンタには、観光客時代に一度行ったことがあるくらいで、住み始めてからは一度も足を運んでいない。

沖縄に住んで10年になるし、実際に見たこともあるから特に感動しないだろうな、と思いながら足を運んだのに、いざ目の当たりにするとしっかり感動してしまった。

海の美しさしかり、何より感動したのは自然そのものの偉大さ。綺麗とか癒されるとかよりも、ただただ「凄い」と思った。

私が机上で写真の加工をしている間も、この場所はずっとこうなのだ。日々波と砂浜と木々がバランスを取り合い、どこからともなくこんなに青い。

そのことがとてつもなくて、感動というよりも圧倒された。

その後立ち寄ったガジュマルの木もやっぱり凄い迫力で、自然の壮大さの前で自分は本当にちっぽけだと思ったし、そう思った自分が情けないとも思った。きっと本当は私だって、この海や木と同じくらい、自然の凄みの一部なのに。

自分の力で色んなことが「できる」「しなくちゃ」と思いすぎていたかもしれない。

作ろう変えよう、変わろうと、力みすぎていたかもしれない。

なんかもうちょっと、自然の流れを信じてみた方がいいのかもしれない。

嫌なものは嫌と、好きなものは好きと、わくわくするものには参加したいと素直に伝えながら、やると決めたことだけ一生懸命やればいいのかもしれない。

よい説教を食らったような気持ちで目の前の自然を見つめ、嫉妬と解放が混ざったような感覚を胸に、島を後にした。

ライター
三好優実