僕にとって、たいせつな場所。
空気が伝わる領域に、入ろう。
僕が初めてここに来たのは、インスタライブ中にいただいた1つのコメントから。
「足を悪くしてしまい沖縄に行くことが出来ないのですが、もう一度あのガジュマルが見たいので行っていただけませんか?」
その日はうるま市でのライブ配信だったため、近くにいた僕は「それで喜んで貰えるなら」と思い、その場所へ行くことにした。
車を停めてインスタライブをしながら歩いて道を進んで行く。
その先にあったのは、樹齢600年を超えるガジュマルだった。
このガジュマルが包み込む領域に入り、僕は言葉を失った。
今まで色んな場所でガジュマルを見ているのに、こんな気分になったのは初めてだった。
インスタライブ中だったのに声を発せられなくなってしまったのに気づき、無理やり言葉を紡ぎ出した。
でも多分、その時のアーカイブがあったら何を言ってるかわからないと思う。そのぐらい、このガジュマルに圧倒されたのを今でもおぼえている。
そしてインスタライブの画面越しでも、このガジュマルの荘厳さははっきりと伝わったようだ。
この後、ここはコメントをいただいたフォロワーさんだけでなく、それを見たフォロワーさんにとっても、そして僕にとってもたいせつな場所になっていた。
ここには何度も足を運ぶようになった。
落ち込んだときや英気を養いたい時に行き、深呼吸する場所。
強い力で護ってくれるとか、僕はそういうのはあまり信じていない。ただ、ここで大きく深呼吸することで気持ちが落ち着き、しっかりと力が出せる気がした。
だから、あなたもここに連れて行きたいと思っている。
この地面に伝う根を、幹から出る気根を、そして形を変えながらも力強く生きている幹を見て、少しでも活力になったら嬉しい。
僕にとって、たいせつな場所。
空気が伝わる領域に、一緒に入ろう。
首里石鹸ライター
須藤 大治郎